みなさんは庖丁儀式をご存知ですか

第62回伊勢神宮式年遷宮奉祝行事で奉納された四條流庖丁儀式。

わかりやすく言えば、大きな俎板の上で鯛や鯉などを手を触れずに包丁だけでさばく儀式です。その歴史は古く、平安朝時代の宮廷や大名家で貴賓客を招いた際に、歓待するおもてなしとして包丁ぶりを見せ、料理を饗したのが始まりです。動画サイトなどでも紹介されていますので、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

参考　http://www.youtube.com/watch?v=1580CzuYJlE

こちらが四條流庖丁儀式十六代家元の入口修三さんです。今回、四條流庖丁儀式についてお話を伺わせていただきました。とても親しみやすい方でわかりやすくお話してくださいました。

四條流庖丁儀式は平安朝初期に興り、現在まで続く唯一の流派で、源氏物語や徒然草にも記されている古典民俗文化と言えます。その伝統を継承し続けているのが「四條流保存会」です。

以前はアメリカのカーネギーホールやフランスのベルサイユ宮殿にも招かれ、四條流庖丁儀式を披露したこともありました。最近では先日の伊勢神宮式年遷宮で奉祝行事として奉納されました。

四條流に伝わる「四條流秘伝書」。

「庖丁儀式」には鯛などの魚の他、鴨、雁、雉などの鳥類も用いられ、その切り形は「出陣の鯉」「登竜の鯉」「式鶴」「真千年」と四十種類以上の形があります。

それらの技術やルールなどを弟子たちが継承していくための秘伝書をまとめるのが家元の仕事でもあります。儀式は厳粛なものなので、その作法も重要な伝承内容のひとつです。

この日は衣装や道具などは埼玉県での展示に貸出し中と言うことで拝見できませんでしたが、絶対に貸出しできない門外不出の秘伝書を見ることができて幸運でした。

四條流庖丁儀式を直接ご覧になりたい方は下記の神社で見られます。

東京・神田明神（毎年1月）
東京・坂東報恩寺（毎年1月12日）
埼玉・秩父神社（毎年3月）
三重・椿大神社（毎年5月）
三重・伊勢神宮（式年遷宮、次回は2033年）
金沢・尾山神社（加賀百万石まつり　毎年6月）
半田・乙川八幡社（新嘗祭　次回は2014年11月9日）

その他、自治体や企業などの主催で披露することもあります。
詳しくは「四條流保存会」までお問い合わせください。

四條流保存会　0569-29-0319

半田市の乙川にある八幡社では毎年11月の新嘗祭で四條流庖丁儀式が披露されます。

庖丁儀式では雅楽も演奏され、厳かな雰囲気の中で行われます。

本来は境内の屋外舞台で行われますが、この日は朝からの雨で拝殿内での披露になりました。

乙川八幡社の今の本殿は文政九年（1812年）に再建され、神職の始まりは天正六年（1578年）という400年以上の歴史ある神社です。

日本料理の「おもい」を若い世代に伝える

国際調理師専門学校名駅校での日本食の講師を務める入口さんの調理実習風景。

入口さんは日本料理の講師として愛知県内のいくつかの調理師専門学校の講師も務め、愛知県日本調理技能士会の会長で、那古屋味道研修会会長、全技連マイスター会あいち会の会長でもあります。

特に専門学校の若い世代に対しては、短い期間の中で調理師としての基本の知識と技術に加え、料理に対する「おもい」を伝えています。

世界文化遺産として「和食」が注目される今、日本料理の「和」のこころは、これからを担う若い人たちに継承してもらいたいですね。

知多半島産の知多前料理を監修

ジャパンナビでは、知多半島の食材を使ったさまざまな知多前料理を提案していきます。その監修に入口修三さんにご協力いただき、知多の食材や愛知の伝統食材を活かした料理やお店を紹介していきます。

入口さんは地元知多半島の料理人の技術向上のために「味道会」という団体を組織して後輩達の育成にも力を入れています。

江戸時代の早すしを復元され再現した「尾州早すし」も入口さんです。

山田家ベルさんで食べることができます。

知多前すしの監修もしています。今後、知多前天ぷらなど知多の食材を活かした料理監修をして頂き、知多前料理をより、美味しく味わって頂けるようになっていきます。

いかがでしたでしょうか、四條流庖丁儀式と入口修三さん。ジャパンナビは今後も魅力的な文化や人物を紹介していきます。　以上知多半島ナビでした。