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宇宙山 乾坤院

徳川家康公のご生母「於大の方」縁の寺院(曹洞宗)です。

こんにちは、知多半島ナビです。日本人なら「徳川家康」を知らない人はいないでしょう。家康公の母方「水野家」の菩提寺であり、歴史の香りがするお寺をご紹介します。

駐車場前に立つ「総門」から本堂まで季節の美しさを愛でながら進みます。

まず、参拝の一歩はこちらの「総門」をくぐるところから始まります。 こちらは緒川城門だった物を移築したものです。
説明を読むと、「緒川城唯一の遺構」と書いてありました。早速、歴史に触れたような気がします。

風格のある門をくぐると気持ちが急に引き締まりました。ちなみに、東浦町有形文化財に指定されています。


写経や座禅のご案内がありました。
総門をくぐって足を進めると、四季の美しさを感じられる景色に益々心が澄んでいきます。
新緑の季節でした。若い緑が生命力を分けてくれるようです。

池の周りの緑が季節ごとに風景を変えて見せてくれます。本堂までもう少し。
池には鯉がたくさん泳いでいます。私が伺った時には小さなお子さんがずっとみていました。

橋の向こうには「浄水」(御洗手所)が。 日々のケガレを洗い流して参拝しましょう。
立派な「地蔵堂」がありました。 大きなお地蔵様の周りに小さなお地蔵様がたくさん! こちらにもお参りしてきました。
さて、正面に立派な山門が見えます。 いよいよ、山門の向こうにご本堂があります。
左写真の「山門」の説明です。もちろん、東浦町有形文化財に指定されています。

この正面がこちらの「本堂」です。 また、驚くほどの静寂の中で自分の足音だけが響くという身の引き締まる厳粛な雰囲気でした。 これこそ、お寺参り。

本堂に向かって左手にある建物(示玄堂)で座禅をすることができます。 開催日は「総門」脇に案内がありますのでご確認ください。
本堂向かって右手には「大庫院」という建物がありました。 こちらは、お寺の行事や法事の際に接客の場として使用されています。
この真ん中の物、何だかわかりますか? 実は「角塔婆」という物。寺院の開帳やご住職が変わった時などに建てられる物。日本人を長い間やっているのに知らないことがたくさんあります。
箒目がキレイに入っています。 左右に白く美しい砂利の海が広がっていました。

こちらが「御本尊仏大通智勝仏」。
こちらの御本尊、胎内に「釈迦牟尼仏」を納めた御身丈が約53cmほどの仏様です。

寛永12年(1635年)ころ、刈谷城主の松平忠房公の御母堂が京洛の仏師に命じて作製し、寄進されたものです。


そして、こちらは今の御本尊仏「大通智勝仏」の胎内に納められている「釈迦牟尼仏」なんです。
乾坤院の創建当初は本尊だったそうで、室町初期の作です。ちなみに、御身丈は28cmほど。
お寺の資料から当時の様子を写真で見せていただけました。


500年程も前からある「鐘楼門」です。一旦、大正時代に移転されましたが現在再度この地に移築されたものです。
下の土台部分は現代の作りですが、上の鐘楼のある部分は昔の面影をしっかり見せてくれます。
鐘楼門を出て、左方面へ向かうと「宇宙稲荷」へ向かいます。この後ご紹介します。

家康公の外祖父(於大の方の父上)水野忠政公の御墓が恭しく静かに建っています。
また、気になるスポットも併せてご紹介しましょう。

1670年に建てられた「堅雄堂」です。こちらは忠政公から四代の御位牌を祀る御霊屋になっています。
忠守公、忠元公、忠善公の御墓が並んでいます。
於大の方の父君、水野忠政公の御墓。一際高い位置にありました。

本堂でお参りした後、鐘楼門へ向かう途中で見つけた不思議な物…「仏足跡」といわれる信仰の対象となる物でした。
お釈迦様の入滅後、数百年間は仏像が作られず(偶像崇拝が許されなかった)仏様の足跡を刻んで信仰の対象として礼拝していたそうです。
敷石の上に跪いてお参りすると、自然に頭が低くなりますよね。 敬う気持ちが、自然にこのような作りになったのでしょう。

「宇宙稲荷」です。
皆さん、子供の頃に「狐の嫁入り」のお話を聞いたことがあるでしょう。こちらのお稲荷さんは、その発祥の地と言われています。
もとは緒川城祀られており、於大の方はこのお稲荷さんのもとで育ち、六歳の時に刈谷城へ移りました。 そこから岡崎城主の松平広忠公へお嫁入りしたのですが、お嫁入り当日、両家の縁組に反対する者が途中の道で待ち伏せしていることを知り、お稲荷さんのお札を持って行列は回り道をして安全な野道を行くことにしました。
さて、反対派の一団が花嫁行列を待ち伏せしている岡崎に入る道では、雲もなく晴れ渡っているというのに急に雨が降り始めました。そこへ、花嫁の行列が現れ、一団の侍が飛び出したところ、あら不思議…行列が消えてしまいました。
その騒ぎをよそに、野道を行った花嫁の行列は無事に岡崎城へ入ることができたのです。
このことから、天気がいいのに雨が降ると、「狐の嫁入り」だと人々が噂をするようになったそうです。


夏になると、愛知県のあちらこちらにお相撲さんの姿を見かけます。 7月に行われる「大相撲名古屋場所」で、井筒部屋の宿舎となるのが乾坤院です。

今年の井筒部屋は、時の人「横綱 鶴竜関」が誕生して初めての名古屋場所になるので益々応援に熱が入るでしょう。 地元の皆さんも大喜び!


宇宙稲荷の隣には広大な敷地を持つ「於大公園」があります。こちらも四季の美しさが楽しめます。
「おもしろサイクルショップ」にはいろいろな形や不思議な漕ぎ方の自転車がいっぱい。子供たちが大喜び!
遊具も大人気でした。広い公園なので、お散歩の方、走り回る子供たちなど老若男女がそれぞれの楽しみ方をしています。


さて、乾坤院へ戻って…最後にもう少しご紹介したい物がありました。

「堅雄堂」の御霊をお守りするために16体の羅漢が置かれているそうです。ご本堂前や於大公園にも同じような彫刻がありました。鈴木政夫さんという彫刻家の作品で、なんとも温もりを感じるものです。
毎年、4月中旬に「於大まつり」が開催されます。可愛らしい「於大姫」や鎧姿の武者行列は、まるで時代絵巻のようです。
駐車場へ戻ると毛糸の帽子をかぶったお地蔵様が並んでいらっしゃいました。駐車場への出入りする車や人々を温かく見守って下さるようです。
「乾坤院」の名前は500年余前の創建時、緒川城から見て乾(戌亥、西北の方角)、坤(未申、南西の方角)の中間に位置したため、この名がついたと伝えられています。また、山号の「宇宙山」は「乾坤」が壮大な天地をも意味することからつけられたとの由来があるそうです。歴史と日本の自然を感じ、自分自身と向き合うことができるようなお寺でした。 以上、知多半島ナビでした。

名称宇宙山 乾坤院
ひらがな読みうちゅうざん けんこんいん
住所愛知県知多郡東浦町緒川沙弥田4
電話番号0562-83-2506
FAX0562-83-2629
駐車場20台
タグ歴史伝統に触れる
行き方(詳細)車の場合/知多半島道路東浦知多IC下車左折、「猪伏釜」交差点を右折し、「於大公園西」交差点を左折すぐ。
電車の場合/JR武豊線「緒川駅」下車徒歩15分。
行き方車の場合/知多半島道路東浦知多IC下車左折、「猪伏釜」交差点を右折し、「於大公園西」交差点左折すぐ。
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みんなのクチコミ

福郎石彫おうる工房 ( 2015-09-21 20:03:16 )

石彫家鈴木政夫の羅漢作品群を紹介いただきありがとうございました.小生鈴木政夫に師事し石彫家になった者です.羅漢設置を手伝ったことを懐かしく思いだします.http://ishibori.mobi/ishibori_151.htm日本の石彫







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